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※株式会社大川印刷 代表取締役 大川哲郎氏へのインタビューより抜粋

■今回のような形でクレドを作成することについて、どのように感じましたか?

最初は多少不安がありました。
プロジェクトを組んで急いで作るよりも、全員で時間をかけて作る方が良いのではないかと思っていたんです。
そんな中、ある出来事が起きました。
社員全員が提出したはずの「成功体験記」が、一人分だけ足りなかったんです。しかも、プロジェクトメンバーの誰一人、それに気づいていませんでした。
「なぜ見落としていたのか。」「各リーダーはまず全員分を読んでいたはずでは?」・・・、メンバー全員でとことん話し合いました。
結局、本人からは成功体験記が提出されていて、コピーの過程で漏れてしまっていた、ということが判明したのですが、この出来事をきっかけとして、プロジェクトメンバーの中に「社員一人ひとりのおもいを背負ってクレドを作っているんだ」という責任感が芽生えたと思います。

■研修に対する社内の反応はいかがでしたか?

当初、「現場の人間は”成功体験記”なんて書けない」という意見が強かったのですが、その予想は良い意味で大きくはずれ、実際に皆から提出された成功体験記はびっしりと文字で埋められていたのです。
「社員はみんな仕事を通じたさまざまなドラマを持っているんだ」、そう強く感じ、本当に感動しました。

同時に、そのようなドラマをもった社員の人生がかかっているんだ、という経営者としての責任も強く認識しました。

我々中小企業は、できることからやってそれを持続させることが大事だと思います。

全ての仕事が社会の営みの中でつながっており、その背景には社員一人ひとりのドラマがある―、経営者はそのことを認識し、”最高のストーリーテラー”として社員に語っていかないといけないですね。それによって社員が気づき、問題意識をもち、具体的なイメージを抱くようになります。そうすれば、自社の商品を説明しやすくなり、商品に宿った”魂”がお客様に伝わるのです。

今回作成したクレドは、この流れを組織の中に生み出す良いきっかけになったと思っています。

■クレドをどのように活用していますか?

毎週行なっている部署ごとの朝礼の中で、クレドの中のどれか一つの項目に関して発表する場を設けています。週に一人ずつ、それを部署内の全員が順番に行なっていくのです。

クレドを実践した具体例を自分の言葉で語ることによって、クレドへの理解も深まり、受け身ではなく主体性をもってクレドを仕事の中で活用する風土が生まれます。特に朝礼の司会を務めた社員などは、日常会話の中でもクレドを交えた話をするようになり、少しずつ浸透している実感があります。

また、あるイベントに参加した時のことです。

一人の社員が、他社のブースに並んでいる商品を見ながら「経営理念と商品がリンクしていませんね。」と言っていたんですね。

これまでは気づかなかった点−、商品に込められた”魂”を感じとる”感性”が、社員の心の中にアンテナとして立ってきたのではないかと思っています。

■今後さらにどのように浸透させていきたいですか?

「仕事をする上での指針・よりどころ」として、社員教育や面談時などにも使っていきたいですね。私自身、朝礼の中でクレドを語ってくれる社員を激励していきたいと思いますし、私なりのおもいをコメントとして伝えていきたいと考えています。

これから先、我が社のクレドを指標とした新しい「仕事を通じた成功体験記」がどんどん生まれてくると思います。その中にある大川印刷独自の”ドラマ”を、皆で語り合い、語り継いでいきたいと思っています。

部署ごとのクレドストーリーがあっても良いと思いますし、クレドを通じて経験したことを互いに共有し、評価する表彰制度を設けてもいいかなと思っています。

 

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