生命体組織におけるリーダーシップとは
アメリカの組織心理学者であるエドガー・シャイン博士は、組織開発について以下のように定義しています。
”個々人の一連の組織の中の行動を企業の望ましい目的達成のために 個人と組織の相反するベクトルを合わせていく為の組織のプロセスを個々の組織に合わせてデザインする一連の取り組み”
注目したいのは、「個人と組織は相反する関係にある」という前提に立っているという点です。そして、この相反するもの同士を一つにしていくためのデザインでありプロセスが組織開発なのだと博士は言いました。
これは、機械的なかたちで動くトップダウンから成り立つ組織の秩序から、まるで一つの生命体として自然とそこに秩序が生まれるような生命体としての組織を目指すことを意味しています。
コミュニティ経営を支える自律分散な組織運営を推し進める上で、まずは、「私たちは異なるもの同士である」という前提に立ったうえで、ばらばらに存在するベクトルの中に「つながり」をデザインし、一つにしていくことが必要なのではないかと考えています。
その役割を担うのが、リーダーです。
たとえば、新たに動き出したプロジェクトの運営のような、何をどこから手をつけていいかわからないような状態では、指示型リーダーが具体的にタスクを整理することで、業務パフォーマンスが上がり、個々も満足度高く取り組むことができます。
一方、個々の工夫改善が求められる定型的な業務や、創意工夫が求められるクリエイティブな業務においては、指示型リーダーが細かいタスク管理で統制を取ろうとすると、メンバーの満足度が下がり、結果的に業務パフォーマンスを低下させることにもなりかねません。この場合は、支援型リーダー(サーバントリーダー)が個々の状態をケアしながら道筋を示した方が、生産性が向上しやすいと言えます。
このように、自身のチームに求められる役割や期待を認識し、メンバー個々の強みや特性も見極めながら、対話の文化・内省の習慣を大切に組織づくりを担えるかどうかが、これからのリーダーに求められるのです。
リーダーシップも統制から協働・創発へ
生き物である人間の集合体である組織も生き物、生命体としての組織。真に組織として大切なあり方・源に立ち還りながら、社会の変化にも柔軟に対応していく動的な組織をつくりあげる必要があります。それが、わたしたちが考えるWell-Beingな職場のあり方です。
1 ひとりの個性や考え方が尊重され自由に働きながらも組織としてイノベーションを起こし続けています。このような新しい組織のあり方を、私たちは「コミュニティ経営」と呼び、ESを軸に持続的な経営を実践しようとする中小企業にこそ、必要なあり方であると考えています。
コミュニティ経営を実践するためには、組織が生命体として、「管理・統制型」→「協働」→「創発」を起こす状態へと変容していく必要があります。
「統制」は、組織運営として、個々の役割や行動を管理し統制をはかることを重視する段階。「協働」は、個々の自律性や社会性の高まりと共に現場主体で価値創出や課題解決が為されていく段階。「創発」は、関係性が組織の外に開かれることで、社外人材の活用や社内起業の動きも起こりコミュニティとしての価値創出や課題解決が為されていく段階です。
中小企業におけるコミュニティ経営とは、「ES(人間性尊重)の考えを柱に、コミュニティ型の組織構造のもと、しなやかに事業運営していくこと」を指します。そのためには、組織も働く個々も強みと特性を活かし合いながら、社会性と開放性をもって、地域・他社・他者とのつながりを大切に働いていくことが求められます。したがってリーダーもコミュニティ型に移行していき、組織や個々との関わり方も生命体である組織の状態に合わせて、ときに介在、ときに俯瞰するなどして、リーダーとしての在り方を変容させていく必要があります。
地域を舞台に越境リーダーとしての変容を目指す
リーダー人材としての適性を見極める
コミュニティを率いるリーダーのための学びの場
CAP(community assistance program)▼

