外国人採用にあたって
外国人を採用したい…。そのように考える会社は増えていることでしょう。でも、そもそも採用可能な外国人とはどのような人なのでしょうか。
《採用可能な外国人とは?》
■不法侵入をしていない
■在留カード・パスポートをきちんと所持している
■適切な在留資格を持っている
■在留期間に猶予がある
■会社で最低限必要な語学力がある
面接〜入社までの大まかな流れ

まずは、外国人の方との面接を行います。
その際、最初に行うのが「在留カードの確認」です。外国人は、在留カードに記載された範囲でしか就労することができません。
カードには、本人が就労できるのか(できないのか)、日本で認められた在留期限がいつまでか、本人の在留資格はどのような活動が認められているか、といった重要な情報が記載されています。
《最低限チェックが必要な箇所》
■就労制限の有無
■在留資格
■在留期限
■資格外活動許可欄(裏面)
これらの条件を満たしていて、会社が求める人材だった場合、採用となります。
留学生の場合や、前職の在留資格と今回の採用の職種が違った場合は、在留資格の変更手続が必要となります。その場合は、会社側が積極的にサポートをして申請手続きを行うようにしましょう(在留資格が無い場合、不法就労をさせることになり、「不法就労助長罪」という罪に問われます)。
申請には、一般的に1〜2ヶ月ほどかかると言われていますので、入社時期から逆算して、計画的に申請手続きを進めましょう。
入社時には、外国人であっても労働保険の加入をしなければなりません。適切な保険を選び、加入の手続を行う必要があります。
また、外国人は、契約書を重視することが意外と多いのが特徴です。契約書には最低限必要な事項を明示するほか、その意味もあわせて説明し、誤解や不要なトラブルがないように気をつけます。
日本に来たばかりの外国人の場合、なかなか日本の習慣になじめないケースもありますので、契約期間は、当初は6ヶ月等の短期契約にし、能力や適性、他の従業員との協調性、職場環境への適応力などを確認しながら、徐々に契約期間を延ばすほうがいいでしょう。
留学生を採用する場合
留学生は、「留学」という在留資格によって、日本に在籍しています。しかし、「留学」の在留資格のままでは働くことができず、その資格のまま入社日を迎えると、不法就労をさせることになってしまいます。よって、留学生を採用するときには、適切な在留資格への変更手続きを取る必要があります。
該当する在留資格を取得するためには、それぞれの資格ごとに指定された条件を満たさなければなりません。会社側は、留学生がそれらの条件をクリアすることができるかどうかを見極めた上で採用するように留意します。
会社側の条件を満たしましょう
それぞれの在留資格の条件に共通しているのが、以下の条件です。安定性・継続性のある会社と雇用契約をきちんと結んでいるかどうか、が最低限の条件になります。
・専門的な業務に従事させること。
・安定した雇用であること。
- 継続的な雇用契約を締結すること。
- 事業所が確保されていること。
- 日本人社員と同等の給与を払うこと。
これらの条件をしっかりと満たした上で、各在留資格ごとの条件を確認します。
「技術・人文知識・国際業務」における条件
以下のいずれかの条件を満たしていれば、在留資格の申請ができます。
- 専門学校を卒業し、専門士である者が、専門的に勉強したことに関連した専門業務を行うこと。
- 通訳翻訳、語学指導業務の場合、日本か本国で大学を卒業し、学位があること。
- 人文、社会科学分野の専門業務、また自然科学分野の専門業務の場合、日本か本国で関連分野を選考して大学を卒業し、学位があること。
- 本国で専門業務を10年以上経験していること。
- 貿易実務、通訳、デザインなど、「外国人ならでは」の業務の場合、専門業務3年以上の経験
- IT関連業務につき、日本または指定された国の指定された国家試験に合格していること。
「技能」における条件
特殊な分野における熟練した技能があること。
※調理師、建築技術士、外国製品の製造・修理、宝石・貴金属・毛皮加工、動物の調教、石油・地熱等掘削調査、航空機操縦士、スポーツ指導者、ソムリエなど
在留資格を変更する手続きの流れ
仮に、雇いたい外国人が現在持っている在留資格が適切でなかった場合、在留資格の変更をしなければなりません(この手続きを『在留資格変更許可申請』といいます)。
手続きには、以下の書類が必要です。
- 在留資格変更許可申請書 1通
- 写真(本人のもの。申請書に添付)
- パスポート及び在留カードの提示
- 日本での活動内容に応じた資料(所属機関等の書類)
- 雇用契約書または採用内定通知書など
※会社側が提出する書類もあります!

外国人を採用するときのポイント
外国人にとって、御社ではたらくことはひとつの選択肢でしかありません。彼らには、日本ではたらく以外にも、「自国へ帰る」「他国ではたらく」など、様々な選択肢があります。
そこで、外国人人材が気になっているポイントにしっかり対応することで、お互いの不安を取り除くことができます。

面接でのチェックポイント
■在留資格の有無
■在留資格認定または変更などがあるか
■日本語能力
■母国での学歴
(日本では専門学校でも、母国では上位大学を卒業していることもあります)
■母語での作文
■マナーや身だしなみ
■日本社会への関心と理解
面接の際には、@法律上雇用ができるのか、A仕事をする上で雇用できるのか(能力)の二点を判断します。@は主に在留資格などの確認、Aは日本人の採用と同じです。
入社時に会社が注意すること
外国人は、日本の習慣や日本での仕事の仕方などに戸惑ってしまうこともあります。以下のような対策をして、不安を取り除けるようにしましょう。
- ゴールをきちんと示す
- フィードバックをよく行う
- アドバイスをする
- 指示や確認を具体的にする
- 異文化の相互理解を心がける
- 職場での雰囲気づくり