相対評価
相対評価とは、一定のグループ内で主として対人比較により序列付けを行い人事考課を行うことをいいます。
人物比較法や分布制限法などがあり、上位の考課者にとって記録法や絶対評価法で捉えられなかった面を補完し、常識的で納得が得られやすいという利点を持ちます。一方では、たしかに評価を行う側から見ると、判断を行いやすい反面、個々人の成果や能力の把握、企業全体の能力構造の把握やグループ間の優劣の問題、能力開発の面から考えると、明確な評価基準がないだけに合理性や納得性を欠くという難点もあります。
厳密な序列付けを行わない場合であっても、2者、3者の比較のもと、人事考課を行う場合には、相対評価となります。
また、相対評価の手法は評価者が極端に偏った評定(例えば全ての部下が5)をつけることを排除する一方で、業績上位者が固定化するような側面も見られます。そのため「業績上位者がいなくなれば自分が相対的に上位になる」というような発想を持つ社員が生まれるケースもないとも言えません。努力をせずに他人を蹴落としたり足を引っ張ったりすることで上位になろうとする風潮が組織に生じないよう注意が必要です。 |